履歴書の中でも、職歴欄は採用担当者が特に重視する項目です。
しかし、正社員経験が少ない場合や、派遣・アルバイトを含めていいのか迷う人も多く、「どう書くのが正しいのか」が分かりにくい部分でもあります。
この記事では、職歴欄の基本ルールから、職種別の書き方、例文、空白期間の扱い、NG例までを簡潔に整理して解説します。
初めて履歴書を書く人でも迷わないよう、実務に基づいて分かりやすくまとめました。
履歴書の職歴欄の基本ルール
履歴書の職歴欄は、採用担当者が「これまでどんな働き方をしてきたのか」を確認するための重要なパートです。
書き方には決まった形式があり、ルールを間違えると見づらくなってしまうこともあります。
ここではまず、基本の考え方と書き方を整理します。
職歴欄の書き始め方
職歴欄は、次の手順で始めるのが一般的です。
- 行の中央に「職歴」と記載
- 1行空ける
- 最初の職歴を書く
【例】
職歴
2020年4月 〇〇株式会社 入社
また、年月は 西暦か元号のどちらかに統一する のが基本です。
途中で表記が変わると読みにくく、採用担当者にとっても印象が良くありません。
在職中・退職済みの正しい書き方
正社員として働いている場合と、すでに退職している場合では、書き方が異なります。
【在職中の場合】
2020年4月 〇〇株式会社 入社
現在に至る
【退職済みの場合】
2020年4月 〇〇株式会社 入社
2023年3月 一身上の都合により退職
ポイントは、退職理由を詳しく書かない ことです。
履歴書には「一身上の都合により退職」とだけ記載し、詳細は面接で説明します。
アルバイト・派遣の書き方
アルバイトや派遣経験の扱いは、少し迷いやすい部分です。
- アルバイト → 職歴として書いても書かなくてもよい
(応募先の業務に関連する場合や、長期勤務の場合は書くと評価されやすい) - 派遣社員 → 派遣元の企業名を書くのが正式
2021年4月 〇〇株式会社(△△株式会社へ派遣)入社
2022年9月 一身上の都合により退職
職歴欄は「雇用契約を結んだ会社名を書く」ことが大原則です。
職歴の書き方(例文つき)
職歴欄は、採用担当者が「どんな業務をどのくらいの期間行ってきたか」を判断する材料になります。
完璧に書こうとしすぎず、形式とポイントさえ押さえれば、読みやすく十分に評価される職歴欄になります。
ここでは、「正社員」「アルバイト中心」「転職回数が多い場合」の3パターンに分けて例文を紹介します。
正社員の職歴(例文)
正社員経験がある場合は、「入社年月 → 会社名 → 退職年月 → 退職理由」の流れで書くのが基本です。
職務内容は長く書きすぎず、1行で簡潔にまとめると読みやすくなります。
【例文】
2020年4月 〇〇株式会社 入社
営業部にて法人営業を担当
2023年3月 一身上の都合により退職
このように、要点のみを書くことで、すっきりとした職歴欄になります。
長文の職務内容を書きたくなる場合でも、履歴書はあくまで「概要」だけで十分です。
アルバイト経験が多い人の書き方(例文)
アルバイト経験しかない場合や、アルバイト歴が長い場合でも、必要に応じて職歴欄に記載できます。
ただし、応募先と関係が薄い短期アルバイトは無理に書かなくても問題ありません。
【例文】
2021年6月 △△カフェ アルバイト入社
接客、レジ対応、店舗清掃を担当
2023年1月 退職
長期間同じ職場で勤務している場合は、それだけで「継続できる人」と評価されやすいです。
そのため、半年以上勤務したアルバイトは書いた方がプラスになることがあります。
転職回数が多い場合の書き方(例文)
転職回数が多いと「印象が悪いのでは?」と不安になる人もいますが、履歴書では省略せず、すべて正しく書きます。
ただし、職務内容は最小限にまとめ、見やすさを優先しましょう。
【例文】
2018年4月 〇〇株式会社 入社(販売職)
2020年5月 一身上の都合により退職
2020年7月 △△株式会社 入社(事務職)
2022年12月 一身上の都合により退職
転職回数が多い場合、履歴書で挽回しようとせず、面接で「これから継続できる理由」を説明することが重要 です。
職歴欄はあくまで事実を整理して伝えることに集中しましょう。
履歴書の書き方に関する記事はこちら
空白期間・短期離職の書き方
職歴欄を書くときに、多くの人が悩むのが「空白期間」と「短期離職」です。
どちらも採用担当者が気にするポイントではありますが、書き方のルールを理解しておけば不利を最小限に抑えられます。
ここでは、それぞれの扱い方と注意点を分かりやすく整理します。
空白期間の扱い方
空白期間(仕事をしていない期間)がある場合、履歴書の職歴欄には書きません。
職歴欄はあくまで「在籍していた会社」を記載する場所であり、空白そのものを書く必要はありません。
ただし、空白期間が長い場合は、面接で次のように説明する準備が必要です。
- 長期のアルバイトや家庭の事情への対応
- 資格取得やスキル習得のための勉強
- 就職活動に集中していた
重要なのは、「何もしていない」ではなく、その期間をどう過ごしていたかを前向きに説明できること です。
短期離職の扱い方
数ヶ月〜1年以内の短期離職は書くべきか悩む人も多いですが、原則として省略せず記載します。
省略すると、経歴詐称と判断される可能性があるためです。
書き方のポイント
- 事実だけを簡潔に記載(例:「研修期間終了につき退職」など)
- 詳しい理由は履歴書には書かない
- 職務内容は短くまとめる
【例文】
2022年4月 〇〇株式会社 入社
販売職として店舗業務を担当
2022年9月 一身上の都合により退職
短期離職が続く場合でも、履歴書では淡々と事実を書き、「今後は長期的に働ける理由」を面接で説明することで印象を改善できます。
やってはいけないNG例
履歴書の職歴欄は「事実を正確に、簡潔に」書くことが基本です。
しかし、実際には選考に不利になる書き方をしている人も多く、注意が必要です。
ここでは、よくあるNGパターンをまとめて紹介します。
NG① 退職理由を詳しく書く
履歴書に「人間関係の悪化で退職」「ハラスメントが原因」など、具体的な退職理由を書くのはNGです。
採用担当者にネガティブな印象を与えるため、詳しい説明は面接で行います。
NG② 略称・俗称で会社名を書く
「株)○○」「○○Co.」のような略称は避け、正式名称で書くのがルールです。
企業名の誤記や略称は、「雑な書類」という印象につながります。
NG③ 職務内容を長文で書きすぎる
履歴書は職務内容を詳述する場所ではありません。
長文を書きすぎると読みづらくなり、かえって印象が悪くなります。
1行で「概要のみ」を書くのが正解です。
NG④ 職歴を省略する
短期離職・不都合な職歴を意図的に省略すると、経歴詐称と見なされるリスクがあります。
「選考を通りやすくするために隠す」という考えは逆効果です。
NG⑤ 感情的な表現
「自分に合わなかったため退職」「やりがいを感じられなかった」など、感情をそのまま書くと、評価が下がりやすくなります。
職歴欄は、冷静に事実だけを記載するのがルールです。
職務経歴書に関する記事はこちら
よくある質問
履歴書の職歴欄について、特に多い質問を簡潔にまとめました。
初めて履歴書を書く人や、転職回数が多い人はぜひ確認しておきましょう。
- 職歴が一つもない場合はどう書けばいいですか?
-
「職歴なし」と記載すれば問題ありません。
無理にアルバイトを職歴に含める必要はありません。 - 派遣元と派遣先、どちらを書くのが正しいですか?
-
派遣元(雇用契約を結んだ会社)を書くのが正式 です。
派遣先を書く場合は、括弧書きで補足します。 - 契約社員やパートは職歴に入りますか?
-
入ります。雇用契約を結んでいれば、正社員以外も職歴として記載します。
- 会社が倒産している場合はどう書けばいいですか?
-
通常どおり会社名を書き、退職理由は「会社都合退職」と記載します。
倒産を理由に評価が下がることはほとんどありません。 - 職歴が短期間で複数ある場合、全て書くべきですか?
-
はい、すべて記載する必要があります。
省略すると経歴詐称と判断される可能性があるため、短期間の職歴でも正確に記載することが大切です。
履歴書では事実を簡潔に書き、短期離職が続く背景は面接で説明するのが適切です。
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まとめ
履歴書の職歴欄は、事実を正しく、簡潔に記載するだけで十分に評価されます。
退職理由を詳しく書いたり、都合の悪い職歴を省略したりする必要はありません。
空白期間や短期離職があっても、正しい形式でまとめ、面接で前向きに説明できれば問題ありません。
この記事を参考に、採用担当者に伝わりやすい職歴欄を作成しましょう。



