【例文付き】退職届の正しい書き方を紹介！提出タイミングや注意点も解説

2025.06.03

退職を決意したものの、退職届の書き方や提出方法に不安を感じていませんか？実は多くの人が初めての退職時に戸惑うものです。
退職届は会社を辞める意思を正式に伝える重要な書類であり、適切な形式と内容で作成する必要があります。
この記事では、退職届の基本的な書き方から提出のタイミング、マナーまで詳しく解説します。この情報を参考に、円滑な退職手続きを進めていただければ幸いです。

退職届とは？基本的な書き方と必要項目

退職届は、会社を辞める意思を正式に表明する文書です。
法的効力を持つ重要な書類なので、書き方や内容を正しく理解しておくことが大切です。
まずは退職届の基本について確認していきましょう。

退職届と退職願の違い

退職届と退職願は似ているようで性質が異なります。
退職願は「辞めさせてください」という願いを表すのに対し、退職届は「辞めます」という意思表示です。
退職願は会社側の承認が必要ですが、退職届は原則として会社側の承諾がなくても効力が発生します。

退職願は会社側に検討の余地を与える書類であり、必ずしも受理されるとは限りません。
一方、退職届は労働者の権利として退職する意思を示すもので、民法上、会社側は基本的に拒否できません。
通常は、まず口頭で退職の意向を伝え、上司と相談した後に退職届を提出するという手順を踏むことが一般的です。

退職願：「辞めさせてください」という願い（会社の承認が必要）
退職届：「辞めます」という意思表示（原則として会社側の承諾は不要）

退職届の基本フォーマット

退職届に必要な項目は、「日付」「宛名」「表題」「本文」「氏名（署名）」です。
これらの項目がきちんと記載されていないと、正式な文書として認められない可能性があります。
特に日付と署名は法的な効力を持たせるためにも重要な要素です。

基本的なフォーマットは以下の通りです。
ビジネス文書としての体裁を整えるためにも、この構成を守ることをおすすめします。
また、退職届は手書きが基本ですが、パソコンで作成する場合、署名欄のみ必ず手書きにしましょう。

日付（提出日）
宛名（会社名と代表者名）
表題（「退職届」と明記）
本文（退職の意思と退職日を明記）
氏名（署名と捺印）

退職届の日付の書き方

退職届には2つの重要な日付があります。
一つは退職届を提出する日付（提出日）、もう一つは実際に退職する日付（退職日）です。
これらの日付は混同しないように注意が必要です。

提出日は退職届の右上に記載します。
退職日は本文中に「〇年〇月〇日をもって退職いたします」という形で明記します。
退職日は民法上、原則として2週間後以降の日付にする必要がありますが、会社の規定や慣例に従うことが一般的です。

提出日：退職届を提出する当日の日付（右上に記載）
退職日：実際に退職する日付（本文中に記載）

例文から見る退職届の具体的な書き方

退職届の書き方には縦書きと横書きがあり、会社の慣例や業界によって異なります。
基本的には縦書きが正式とされていますが、最近では横書きも広く受け入れられています。
ここでは両方の書き方と例文を紹介します。

縦書きの場合

縦書きの退職届は伝統的な形式で、特に日本的な企業文化が強い会社では今でも好まれる傾向があります。
縦書きの場合、右上から左下へと文字を書いていきます。
白い無地の便箋や奉書紙を使用するのが一般的です。

縦書きの退職届の基本的な構成は以下の通りです。
文字の大きさや配置にもマナーがあり、特に表題である「退職届」は少し大きめに書くのが一般的です。
署名は必ず手書きで行い、氏名の右横に捺印します。

	縦書きの退職届例文	書き方のポイント
日付	令和〇年〇月〇日	右上に記載
宛名	株式会社〇〇代表取締役〇〇〇〇様	会社名と代表者名を記載
表題	退職届	中央に大きめに記載
本文	私儀、このたび一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもって退職いたしたく、ここに届出いたします。在職中は格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございました。	簡潔に退職の意思と日付を記載
署名	〇〇部〇〇課〇〇〇〇印	所属部署と氏名を記載し、捺印

横書きの場合

横書きの退職届は、特に外資系企業や現代的な企業文化を持つ会社で一般的です。
横書きは左上から右下へと文字を書いていきます。
A4サイズの白い無地の紙を使用するのが基本です。

横書きの退職届でも基本的な構成要素は縦書きと同じですが、レイアウトが異なります。
日付は右上に、宛名は左側に配置するのが一般的です。
表題は中央に記載し、本文と署名は左寄せで書きます。

	横書きの退職届例文	書き方のポイント
日付	2023年10月1日	右上に記載
宛名	株式会社〇〇代表取締役〇〇〇〇様	左上に記載
表題	退職届	中央に太字で記載
本文	私は、一身上の都合により、2023年10月31日をもって貴社を退職したく、ここに届け出ます。在職中は多大なるご指導とご鞭撻を賜り、心より感謝申し上げます。	簡潔に退職の意思と日付を記載
署名	所属：〇〇部〇〇課氏名：〇〇〇〇印	右下に記載し、捺印

退職理由の記入のポイント

退職届における退職理由は、シンプルかつ丁寧に書くことが基本です。
詳細な理由を書く必要はなく、「一身上の都合により」といった簡潔な表現で十分です。
会社に不満があったとしても、否定的な内容を書くことはおすすめできません。

退職理由としてよく使われる表現には以下のようなものがあります。
状況に応じて適切な表現を選ぶとよいでしょう。
「家庭の事情」や「健康上の理由」など、より具体的な理由を書く場合も、詳細までは書かないのが無難です。

一身上の都合により
このたび一身上の理由により
諸般の事情により
家庭の事情により
健康上の理由により
転職のため

退職届の提出方法とタイミング

退職届の作成方法を理解したら、次は提出のタイミングや方法について把握しておきましょう。
適切なタイミングと正しいマナーで退職届を提出することは、円満退社のためにも重要です。
ここでは具体的な提出時期や手順について解説します。

退職届の提出タイミング

退職届の提出タイミングは、会社の就業規則に定められていることが多いです。
一般的には退職日の1〜2ヶ月前に提出するのが望ましいとされています。
法律上は2週間前の申し出で退職できますが、引継ぎなどを考慮すると早めに伝えることが望ましいでしょう。

特に重要なプロジェクトの途中や繁忙期での突然の退職は避けるべきです。
チームや会社に迷惑がかからないよう、タイミングには配慮しましょう。
可能であれば、比較的余裕のある時期を選ぶことをおすすめします。

退職届の提出にまつわるマナー

退職届の提出には一定の手順とマナーがあります。
まずは直属の上司に口頭で退職の意向を伝え、その後に退職届を提出するのが基本的な流れです。
突然書面だけで伝えると、信頼関係を損なう可能性があります。

メールや郵送での提出は避け、直接手渡しするのがマナーです。
可能であれば人事担当者と直属の上司の両方に退職届を提出しましょう。
退職届を渡す際には、「お時間をいただけますか」と事前に声をかけ、感謝の気持ちを伝えることも大切です。
退職届はコピーを取っておくと安心です。

封筒の選び方・入れ方

退職届は正式な書類なので、適切な封筒に入れて提出するのがマナーです。
一般的には白色の無地の封筒か、薄いクリーム色の封筒が適しています。
派手な色や柄入りの封筒は避けましょう。

封筒のサイズは、折り曲げずに入る大きさを選びます。
A4サイズの場合は角形2号、B5サイズの場合は長形3号が適しています。
封筒表面には「退職届」と中央に記載し、右下に自分の所属部署と名前を書きます。

	封筒の表面	封筒の裏面
記載内容	中央に「退職届」右下に所属部署と氏名	通常は何も記載しない（封をする）
注意点	丁寧な字で書く宛名は不要	のりで封をするセロハンテープは避ける