エントリーシートの書き方を完全解説!構成・例文・通過しやすいコツを紹介

エントリーシートの書き方を完全解説!構成・例文・通過しやすいコツを紹介

エントリーシートは、企業が応募者を理解するための最初の選考書類です。
どれほど優れた経験があっても、書き方を間違えると魅力が伝わらず、選考通過が難しくなってしまいます。

本記事では、エントリーシートの基本構成から、通過率を上げる書き方のコツ、例文、NG例まで分かりやすく解説します。
これから就職活動を始める人はもちろん、書類選考で落ちやすい人にも役立つ内容になっています。

目次

エントリーシートとは

エントリーシートは、企業が応募者の人物像や価値観を把握するために提出を求める書類です。
履歴書と違い、文章形式の質問に答えることが多く、内容は企業ごとに大きく異なります。

まずは、その目的と履歴書との違いを整理しておきましょう。

エントリーシートの目的

企業がエントリーシートを求める主な理由は次の三つです。

  • 応募者の価値観や考え方を知るため
  • 入社意欲や企業理解度を確認するため
  • 文章力や論理力をチェックするため

エントリーシートは「この人に会ってみたいか」を判断するための資料です。
そのため、内容そのものだけでなく、読みやすさや整理された文章構成も評価されています。

履歴書との違い

履歴書は「経歴の事実を記録する書類」であるのに対し、エントリーシートは「考え方や人物像を伝える書類」です。
資格やアルバイト歴だけで判断できないため、企業はESを通して応募者の本質を知ろうとします。

違いを分かりやすくまとめると次の通りです。

項目履歴書エントリーシート
内容経歴・個人情報自己PR・志望動機・ガクチカ
目的事実の確認人物像・能力・価値観の理解
形式定型企業ごとに異なる

履歴書は「どんな人かの外側」、エントリーシートは「どんな考え方の人かの内側」を見る書類と言えます。

エントリーシートの基本構成

エントリーシートにはさまざまな質問項目がありますが、企業が知りたい内容はほぼ共通しています。
ここでは、特によく出る四つの代表的な項目と、それぞれの書き方のポイントを解説します。

まずは基本構成を理解し、自分の経験をどこに当てはめるか考えることから始めましょう。

自己PR

自己PRは「あなたがどんな価値を提供できる人か」を伝える項目です。
強みだけを書くのではなく、その強みがどのような行動として現れ、成果につながったかを示すことが大切です。

書き方のポイント

  • 最初に結論(強み)を書く
  • 強みが発揮された具体的なエピソードを入れる
  • 入社後にどう活かせるかを書く

流れ

結論 → エピソード → 学んだこと → 入社後の活かし方

志望動機

志望動機では、企業への理解度と熱意を伝えます。
抽象的な理由では読まれた瞬間に落選するため、企業ごとに内容を変えることが必須です。

書き方のポイント

  • 「なぜその業界なのか」
  • 「なぜその企業なのか」
  • 「自分の経験とどうつながるのか」

志望動機は、「企業に共感している × 自分の強みが活かせる」ことを一貫した流れで説明するのが理想です。

学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)

ガクチカは ES の中でも特に重視される項目です。
部活動、アルバイト、学業、サークルなど、何でも評価される可能性があります。

重要なのは、経験そのものよりも「どう考え、どう行動し、何を学んだか」です。

書き方のポイント

  • 課題や目的を明確にする
  • 工夫した点や行動を具体的に書く
  • 結果と学びで締める

「大変だったこと」「チームでの役割」「改善の試行錯誤」など、採用担当者が見たいポイントを盛り込むと通過率が上がります。

長所・短所

長所と短所は、あなたの特徴を客観的に理解しているかを見る質問です。
「長所は○○です」だけでは弱く、仕事でどう活かせるかまで書く必要があります。
また短所はネガティブになりすぎず、改善姿勢を示すと好印象です。

長所 → 計画性がある、継続力が高い、傾聴力がある
短所 → 心配性、慎重すぎる、引き受けすぎてしまう

短所を書くときは、「その弱みをどう改善しているか」を1文添えると評価が上がります。

エントリーシートの書き方のコツ5選

エントリーシートは、内容だけでなく「読みやすさ」「論理性」「企業との相性」も評価の対象になります。
多くの学生が書類選考で落ちる理由は、文章力ではなく「伝え方の工夫不足」です。

ここでは、通過率が上がる書き方のコツを五つに絞って解説します。

結論から書く

最初の一文で「何を伝えたいか」を明確に示すことで、読み手の理解が一気に深まります。
自己PRでも志望動機でも、結論が後回しだと内容がぼやけてしまいます。

悪い例

私はアルバイトでさまざまな経験をし、その中で責任感を持つことを学びました。

良い例

私の強みは、最後までやり切る責任感です。

このように、冒頭の印象だけで読みやすさが大きく変わります。

具体的なエピソードを盛り込む

抽象的な文章は印象に残りません。
採用担当者が「この人は実際にどんな行動をしてきたか」をイメージできるように、具体的なエピソードを入れましょう。

  • チームの売上を○%改善した。
  • 参加者が100名規模のイベントを運営した。
  • 店舗のクレーム対応フローを改善した。

数字があると説得力が一段と高まります。

企業ごとに文章を変える

よく「同じ志望動機をコピペして大量に提出する」学生がいますが、それは落ちる典型例です。
企業は「うちの会社について調べてくれているか」を細かく見ています。

差別化のポイント

  • なぜその企業の事業に興味を持ったか
  • 他社ではなく、その企業を選ぶ理由
  • 自分の経験がどう活かせるか

企業理解の深さは、そのまま合否に影響します。

読みやすい文章構成にする

ESは人事担当者が短時間で大量に読むため、読みやすさは非常に重要な評価ポイントです。
文章はできるだけシンプルにし、主語・述語のねじれにも注意しましょう。

読みやすくするコツ

  • 1文を長くしすぎない
  • 主語と述語を近くに置く
  • 接続詞(しかし、また、さらに)を効果的に使う

構成が整っているだけで、文章の印象は大きく良くなります。

定量的に成果を書く

成果を数字で示すことで、内容が一気に信頼性の高いものになります。
相手に具体的なイメージを持たせるためにも、可能な限り数値を加えましょう。

数字を使った例

  • 来店客数を月平均20%改善した。
  • イベント参加者を前年比150%に増加させた。
  • 売上10万円の赤字店舗を黒字化した。

例文で見るエントリーシート

エントリーシートの書き方を理解したつもりでも、実際に文章を書くとなると手が止まってしまう人は多いです。
ここでは、もっともよく提出を求められる「自己PR」「志望動機」「ガクチカ」の三つの例文を紹介します。

文章の型として参考にし、自分の経験に置き換えて活用してください。

自己PRの例文

私の強みは、最後まで粘り強くやり抜く力です。
大学では、店舗アルバイトの新人教育を任され、習熟度の差による業務停滞が課題となっていました。
そこで私は作業工程ごとのチェックリストを作成し、進捗管理を見える化した結果、新人の独り立ちまでの期間を平均30%短縮させることができました。
この経験から、課題を整理し改善策を実行する力を身につけました。
貴社でも、粘り強く業務改善に取り組み、成果に貢献したいと考えています。

志望動機の例文

貴社を志望する理由は、事業を通じて「生活の質を高めるサービス」を提供し続けている点に魅力を感じたためです。
私はアルバイトで接客を経験し、「誰かの不便を解消すること」への喜びを強く感じました。
その経験が貴社の事業内容と結びつき、より多くの人の課題解決に関わりたいと考えるようになりました。
また、貴社の研修制度が充実しており、未経験からでも挑戦できる点にも魅力を感じています。
入社後は、お客様視点を大切にしながら成長し、長期的に貢献していきたいです。

ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)の例文

私はゼミ活動での研究プロジェクトに最も力を入れました。
チーム内の議論がまとまらず進行が滞っていたため、私は議題ごとに論点を整理し、意見を分類して共有する役割を担いました。
その結果、議論の方向性が明確になり、研究発表では学内優秀賞を獲得することができました。
この経験から、チームで課題を整理し、成果につなげる力を身につけました。
この力を仕事でも発揮し、周囲と協力しながら成果を出したいと考えています。

エントリーシートで落ちる人の共通点

「しっかり書いたつもりなのに通過しない」という相談は非常に多いです。
しかし不合格になるエントリーシートには、共通する特徴があります。
ここでは、特に多い三つのパターンを紹介しますので、自分のESと照らし合わせて改善点を確認してみてください。

抽象的で伝わらない文章になっている

「頑張りました」「成長しました」のような抽象的な言葉は、読み手に内容が伝わりません。
採用担当者は、応募者が何を考え、どんな行動を取り、どんな結果を出したかを知りたいと思っています。

悪い例

私は部活で努力し、リーダーシップを発揮しました。

良い例

私は部活の練習メニューを改善し、参加率を80%から95%に向上させました。

このように、数字や具体的な行動があるだけで説得力が大きく変わります。

企業理解が浅い

企業研究を十分にしていないと、志望動機が他社にも使い回しできる内容になりやすく、選考通過は難しくなります。
採用担当者は「なぜうちの会社なのか」を最重要ポイントとして見ています。

企業理解の甘さは、次のポイントに現れます。

  • 企業理念や事業内容に触れていない
  • 具体的に共感した理由が書かれていない
  • 入社後にどんな貢献ができるか語れていない

企業研究は、エントリーシートの質を左右する最重要プロセスです。

誤字脱字が多い

どれだけ内容が良くても、誤字脱字が多いと評価が下がります。
社会人の基本である「正確な文章を書く力」が欠けていると判断されてしまうからです。

誤字脱字を防ぐには、次の方法が効果的です。

  • 一晩置いてから読み直す
  • 声に出して読み、違和感を確認する
  • 第三者にチェックしてもらう

見た目の丁寧さは、そのまま仕事の丁寧さとして評価されます。

エントリーシート作成を効率化する方法

エントリーシートは企業ごとに内容が異なり、複数社に応募するほど作成量が増えていきます。
そのため、効率的に作成できる仕組みを作っておくことが、就職活動をスムーズに進めるポイントです。

ここでは、負担を減らしながら質を高める三つの方法を紹介します。

テンプレートを作る

毎回一から文章を考えると、時間がかかり内容もブレがちです。
まずは「自己PR」「志望動機」「ガクチカ」など、共通して使う項目のテンプレートを作成しておくと、どの企業にも応用しやすくなります。

テンプレ化しておく内容の例

  • 自分の強み
  • 強みを示すエピソード
  • 学んだこと
  • 活かしたいスキルや将来像

土台を作っておけば、企業ごとに「足す・削る・調整する」だけでスムーズに書けるようになります。

過去の経験を棚卸ししておく

エピソードが思い出せないと、ES作成は一気に苦しくなります。
そのため、就活を始める前に以下の項目を一度整理しておきましょう。

  • 部活・サークル活動
  • アルバイトの経験
  • 学業・研究で頑張ったこと
  • インターンやボランティア経験
  • 困難を乗り越えた経験

紙やスマホメモに書き出しておくと、どの企業のESにも使える「素材」が増え、作成スピードが大幅にアップします。

第三者に添削してもらう

自分では気づかない誤字脱字や論理のズレは、第三者の目でチェックすると驚くほど改善されます。
大学のキャリアセンター、友人、家族、またはオンライン添削サービスなどを活用しましょう。

添削してもらうポイントは次の三つです。

  • 結論が分かりやすいか
  • 企業の求める人物像に合っているか
  • 誤字脱字や不要な表現がないか

「読まれること」を意識した文章にするためにも、他者の意見はとても重要です。

よくある質問

エントリーシートを作成する際によく寄せられる疑問を、簡潔にまとめて回答します。
初めて就活をする人や、書類選考で落ちやすい人は特にチェックしておきましょう。

文字数が足りないときはどうすればいいですか?

結論と要点を先に書き、不要な背景説明を削りましょう。
文字数が少ないほど「簡潔さ」が評価されるため、長文よりも読みやすさを重視すべきです。

文字数を埋めるために話を盛っても大丈夫ですか?

話を盛るのはNGです。
面接で矛盾が生まれたり、深掘りされた際に説明できず評価を下げる原因になります。
事実の範囲で書き、エピソードを丁寧に振り返ることで十分に内容を充実させられます。

似たような企業には同じESを使い回してもいいですか?

完全なコピペは落ちる原因になります。
ただし、自己PRやガクチカの土台は同じで問題ありません。
「志望動機だけは必ず企業ごとに書き換える」ことが通過率を大きく左右します。

手書きとパソコン作成はどちらが良いですか?

現在はパソコン作成(PDF提出)が主流で、評価が下がることはありません。
手書きが求められる企業は一部ですが、指定がある場合は従いましょう。
パソコンなら修正がしやすく、誤字脱字も防ぎやすいというメリットがあります。

書くことが思いつかないときはどうすればいいですか?

経験を思い出すための棚卸しを行いましょう。
次の項目をメモに書き出すと、ESに使える材料が見つかりやすくなります。

  • 頑張った経験
  • 乗り越えた困難
  • チームで取り組んだこと
  • 工夫して成果を出した経験
  • 他者に喜ばれた経験

「大きな成果」である必要はなく、行動や成長が伝わるなら十分評価されます。

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まとめ

エントリーシートは、あなたの考え方や強みを企業に伝えるための重要な書類です。
結論から簡潔に書き、具体的なエピソードや数字を盛り込むことで、内容の説得力は大きく高まります。

また、テンプレート作成や経験の棚卸しをしておくと、複数社分のESを効率よく書けるようになります。
企業ごとに志望動機を調整し、読みやすい文章を心がけることで、書類通過率は確実に上がります。

本記事を参考に、あなたの魅力が正しく伝わるエントリーシートを作成してみてください。

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この記事を書いた人

アイピアジョブ編集部
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