転職エージェントとは？選び方・メリット・登録の流れを完全解説

2025.06.05

転職活動をスムーズに進めるためには、適切なサポートが欠かせません。
「転職エージェント」はそんな転職者の強い味方となる存在ですが、具体的にどんなサービスなのか、どう活用すれば良いのかわからない方も多いでしょう。
本記事では、転職エージェントの基本知識から選び方、登録から内定までの流れまで、最新データを交えて徹底解説します。
この記事を読めば、転職エージェントを効果的に活用して理想の転職を実現するためのポイントがわかるようになります。

転職エージェントとは

転職活動で迷われている方の中には、「転職エージェントって何？」「どんなサービスを提供してくれるの？」という疑問をお持ちの方も多いでしょう。
まずは転職エージェントの基本的な役割や特徴について理解していきましょう。
転職エージェントを活用することで、効率的かつ効果的な転職活動が可能になります。

転職エージェントの基本と役割

転職エージェントとは、求職者と企業の採用活動を仲介する人材紹介会社のサービスです。
キャリアアドバイザーやコンサルタントと呼ばれるプロフェッショナルが、あなたの転職活動を総合的にサポートします。
日本の転職エージェント利用者数は年間約130万人に達しており、多くの転職成功者が活用しています（出典：厚生労働省「労働市場分析レポート」）。

転職エージェントの主な役割は以下の通りです。
求人紹介だけでなく、転職活動全般にわたってサポートを受けられるのが大きな特徴です。
特に非公開求人の紹介は転職エージェントならではのメリットで、2025年4月現在、大手エージェントでは求人全体の約7割が非公開求人という調査結果もあります（出典：リクルートエージェント公式サイト）。

求人情報の提供（非公開求人を含む）
職務経歴書・履歴書の添削
面接対策・模擬面接
求人企業との面接日程調整
給与・条件交渉のサポート
入社手続きのフォロー

転職エージェントの最大の強みは、キャリアアドバイザーによる個別サポートです。
あなたのスキルや経験、希望条件をヒアリングした上で、最適な求人を紹介してくれます。
また、企業側の採用基準や社風といった、求人票だけではわからない情報も入手できるため、ミスマッチを減らす効果があります。

転職エージェントと転職サイトの違い

転職支援サービスには、「転職エージェント」と「転職サイト」の2種類があります。
両者は似ているようで役割や特徴が大きく異なります。

次に、転職エージェントと転職サイトの違いを比較した表をご紹介します。

	転職エージェント	転職サイト
サポート内容	キャリアアドバイザーによる手厚い個別サポート	基本的に自分で求人検索・応募
求人情報	非公開求人あり（全体の約70%）	公開求人のみ
利用の手軽さ	面談や連絡の時間調整が必要	24時間いつでも自分のペースで利用可能
向いている人	サポートを受けたい人、効率的に転職したい人	自分のペースで転職活動を進めたい人

転職エージェントは、キャリアアドバイザーがあなたの代わりに求人を探し、書類選考や面接対策までサポートしてくれる手厚いサービスです。
一方、転職サイトは自分で求人を検索し、応募する「セルフサービス型」のプラットフォームになります。

2024年の調査では、転職成功者の約65%が転職エージェントを利用しており、そのうち約55%が転職サイトと併用していることがわかっています（出典：マイナビ転職動向調査2024）。
また、転職エージェントは、初めての転職や短期間での転職を希望する方に特に評価されています。

転職エージェントのサービスは本当に無料？

「こんなに手厚いサポートが無料で受けられるの？」と疑問に思う方もいるでしょう。
結論から言うと、転職エージェントのサービスは求職者にとって完全無料です。

では、転職エージェントはどうやって収益を得ているのでしょうか。
転職エージェントのビジネスモデルは、あなたが企業に採用された際に、その企業から「成功報酬」を受け取る仕組みになっています。
一般的に年収の30〜35%程度が相場とされており、例えば年収400万円の場合、企業は120〜140万円程度をエージェントに支払います。

このビジネスモデルにより、転職エージェントは「求職者を企業に採用してもらう」ことで収益を得るため、あなたの転職成功に向けて真剣にサポートする動機があります。
ただし、成功報酬を得るために無理な求人紹介をする可能性もゼロではないため、複数のエージェントを併用して情報を比較することをおすすめします。

転職エージェント利用のメリット・デメリット

転職エージェントを活用するとどのようなメリットがあるのでしょうか。
また、サービスを利用する際に注意すべき点や欠点はあるのでしょうか。
ここでは、転職エージェントを利用する際のメリット・デメリットについて、具体的なデータとともに解説します。

転職エージェントを利用するメリット

転職エージェントを活用することで得られるメリットは数多くあります。
特に以下の点が大きな魅力となっています。

非公開求人へのアクセス：大手転職エージェントでは全求人の多くが非公開求人です。これらは一般的な転職サイトでは見ることができない優良案件が多く含まれています。
プロによる選考対策：書類添削や面接対策などプロのアドバイザーによるサポートを受けられます。
時間と労力の節約：求人検索や応募書類の作成、面接日程の調整など、転職活動の煩雑な作業をエージェントが代行してくれます。
企業の内部情報の入手：公開されていない企業の社風や職場環境、評価制度などの情報を得られます。
給与交渉のサポート：経験豊富なアドバイザーが適切な年収額を提案し、企業との交渉もサポートしてくれます。

特に注目すべきは、登録から内定獲得までの平均期間の短縮です。
転職エージェントを利用した場合の転職期間よりも、自力のみで転職活動を行った場合は約1.6倍かかるといわれています。
この差は、転職活動における大きなアドバンテージといえるでしょう。

転職エージェントのデメリットと注意点

転職エージェントにはメリットが多い一方で、いくつかのデメリットや注意点も存在します。
サービスを利用する前に、これらを理解しておくことが重要です。

担当者との相性の問題：エージェントの担当者と相性が合わなかった場合、担当変更を依頼するか、別のエージェントに登録するのも一つの方法です。
希望通りの求人紹介が受けられないことも：成功報酬型のビジネスモデルのため、採用可能性の高い求人を優先して紹介される場合があります。
連絡の頻度が多い：電話やメールでの連絡が頻繁にあり、仕事中の場合は対応が難しいことがあります。
情報の扱いに注意が必要：個人情報や転職意向が現職に漏れるリスクが少なからず存在します。信頼できるエージェントを選ぶことが重要です。

これらのデメリットに対処するためには、複数のエージェントに登録して比較することが有効です。
また、最初の面談で担当者との相性を確認し、合わないと感じたら担当変更を依頼することも検討しましょう。

信頼性の高いエージェントを選ぶためには、厚生労働大臣から許可を受けた「有料職業紹介事業者」であることを確認することも重要です。
許可番号は各エージェントの公式サイトに記載されているので、登録前に必ずチェックしましょう。
無許可で職業紹介を行う悪質な業者による被害も報告されているため注意が必要です。

こんな人に転職エージェントはおすすめ

転職エージェントは万人向けのサービスではありません。
特に以下のような方に利用価値が高いと言えるでしょう。

初めての転職で不安がある方：転職活動の流れや書類作成のノウハウが分からない方は、エージェントのガイダンスが心強い味方になります。
短期間で転職を成功させたい方：自力での転職活動と比べて約1.7ヶ月転職期間を短縮できるというデータがあります。
キャリアの方向性に迷っている方：プロのキャリアアドバイザーに相談することで、自分の市場価値や可能性が見えてきます。
非公開求人にアクセスしたい方：優良企業の非公開求人は、エージェント経由でしかアクセスできません。
面接対策や条件交渉に自信がない方：プロのアドバイスを受けることで、内定率や条件交渉の成功率が高まります。

一方で、自分のペースで転職活動を進めたい方や、過去に複数回の転職経験がある方、特定の業界や職種に絞った転職を考えている方は転職サイトの利用だけで十分な場合もあります。
また、転職エージェントと一口に言っても、様々なプラットフォームがあります。それぞれのHPや口コミを確認しつつ、自分に合ったサービスを選ぶようにしましょう。

自分に合った転職エージェントの選び方

転職エージェントはそれぞれ特徴や強みが異なります。
自分のキャリアや希望条件に合ったエージェントを選ぶことが、転職成功への近道です。
ここでは、転職エージェントの種類や選び方のポイントについて詳しく解説します。

転職エージェントの種類と特徴

転職エージェントは大きく分けて「総合型」と「特化型」の2種類があります。
それぞれの特徴を理解し、自分のニーズに合ったタイプを選ぶことが重要です。

	総合型エージェント	特化型エージェント
求人情報	豊富（数万〜十数万件）	限定的だが専門性が高い
対応業界・職種	幅広い業界・職種に対応	特定の業界・職種・年代に特化
アドバイザーの専門性	一般的なキャリア支援	専門分野に精通したアドバイス
おすすめの人	幅広い選択肢を探したい方	特定分野でのキャリアアップを目指す方

総合型エージェントの代表例としては、リクルートエージェント（2025年4月時点約15万件の求人）、dodaエージェント（約12万件）、マイナビエージェント（約9万件）などが挙げられます。
いずれも幅広い業界・職種をカバーしており、初めての転職や方向性が定まっていない場合に適しています。

一方、特化型エージェントには以下のようなタイプがあります。

業界特化型：IT業界（レバテックキャリア）、医療業界（メディカルキャリア）など
職種特化型：エンジニア（ギークリー）、営業職（キャリアカーバー）など
年齢層特化型：ハイクラス（ビズリーチ）、第二新卒（ウズキャリ）など
地域特化型：地方転職に強いエージェント（JACリクルートメント地方拠点）など

特化型エージェントでは専門性の高いアドバイスが受けられる反面、求人数は限定的です。
総合型と組み合わせつつ、上手に活用しましょう。

選ぶべき転職エージェントの条件

転職エージェントを選ぶ際は、以下のポイントをチェックすることをおすすめします。
自分のニーズに合ったエージェントを見極めるために、以下の条件を参考にしてください。

求人数と質：エージェントを選ぶときは、求人保有数だけでなく、それらの求人の質も確認しましょう。
対応業界・職種の範囲：自分の希望する業界・職種に強いエージェントを選びましょう。
サポートの質と評判：口コミや評判をチェックして、サポートの質を確認しましょう。
対応地域：地方での転職を考えている場合は、その地域に強いエージェントを選ぶことが重要です。地方拠点が多いエージェントは、地方転職に強みがあります。
転職成功実績：転職決定率や内定獲得までの平均期間などの実績も重要な指標です。

併用登録で成功率を高める方法

転職成功への近道は、複数のエージェントを併用することです。
2024年の調査によると、転職成功者の約70%が複数のエージェントを併用しており、平均登録数は2.8社となっています（出典：転職成功者追跡調査2024）。
併用登録のメリットには以下のようなものがあります。

より多くの求人に出会える：エージェントによって取り扱う求人が異なるため、選択肢が広がります。
複数の視点からのアドバイス：異なるアドバイザーからの意見を比較することで、より客観的な判断ができます。
エージェント間の競争意識：複数社を利用していると、各社が良い求人を紹介しようと努力する傾向があります。

しかし、あまりに多くのエージェントに登録すると、対応に追われて効率が下がる可能性もあります。
一般的には、２〜３社が最も効率的だと言われています。
以下のような組み合わせでの登録がおすすめです。

基本の組み合わせ：
- 総合型エージェント（リクルートエージェントかdodaエージェント）
- 業界・職種特化型エージェント（希望に合わせて）
- 第三のエージェント（競合比較用）
特定の目的がある場合：
- 年収アップ希望→ビズリーチ＋リクルートエージェント
- 建築業希望→アイピアジョブ
- 地方転職→地域特化型＋パソナキャリア

複数のエージェントを効率的に活用するコツとしては、情報管理が重要です。
エクセルなどで「どのエージェントから、どの求人を紹介されたか」を管理すると良いでしょう。
また、最初の面談で「他社にも登録している」ことを伝えておくと、より積極的に良い求人を紹介してもらえる可能性があります。

転職エージェント登録から内定までの流れ

転職エージェントへの登録を決めたら、次は具体的にどのような流れで転職活動が進むのかを知っておきましょう。
登録から内定獲得までのプロセスを理解することで、効率的に転職活動を進めることができます。
ここでは、各ステップごとのポイントを詳しく解説します。

転職エージェントへの登録方法

転職エージェントへの登録は、基本的にオンラインで完結します。
登録の手順は以下の通りです。

オンライン登録フォームに記入：基本情報（氏名、連絡先、職歴など）を入力します。所要時間は約10〜15分程度です。
担当者からの連絡：通常1〜3営業日以内に電話やメールで連絡があります。
面談日程の調整：初回面談の日時を決めます。最近ではオンライン面談（Zoom、Teams等）を選択するケースが増えています。

登録前の準備として、以下の情報を整理しておくと、スムーズに進められます。
特に職務経歴と希望条件は明確にしておくことで、より的確な求人紹介を受けられます。事前に以下の情報を整理しておくとスムーズです。

職務経歴の整理：これまでの業務内容、担当プロジェクト、成果などを簡潔にまとめておく
保有資格のリスト：取得年月も含めて整理しておく
希望条件の明確化：職種、業界、勤務地、年収など
転職理由の整理：ポジティブな表現で説明できるよう準備しておく

また、登録時に提出する書類は多くの場合「履歴書」と「職務経歴書」です。
これらは事前に準備しておくと良いですが、登録後にアドバイザーの添削を受けられるので、完璧でなくても問題ありません。

キャリアカウンセリングから求人紹介まで

転職エージェントに登録した後は、まずキャリアカウンセリング（初回面談）が行われます。
この面談は今後の転職活動の方向性を決める重要なステップです。
初回面談の平均所要時間は60〜90分程度であることが一般的です。

キャリアカウンセリングでは、主に以下の内容について話し合います。
この面談で自分の希望や条件をできるだけ具体的に伝えることで、的確な求人紹介につながります。
面談時には主に以下の内容について確認されます。

経歴の確認：これまでの職務経験、スキル、実績など
転職理由の把握：現職の不満点や転職で実現したいこと
希望条件の詳細：職種、業界、勤務地、年収、働き方など
市場価値の評価：あなたのスキルや経験がどのくらいの価値を持つか
今後の活動方針：どのような求人を紹介するか、応募書類の準備など

初回面談後、通常1週間以内に求人紹介が始まります。
求人紹介は主にメールやオンラインシステムを通じて行われ、各求人の詳細情報や応募方法が案内されます。

求人紹介後は、以下のようなプロセスで転職活動が進みます。

求人検討と応募意思の伝達：紹介された求人を検討し、応募したい求人をエージェントに伝えます。
応募書類の準備・添削：履歴書・職務経歴書の添削を受け、企業ごとにカスタマイズすることも可能です。
企業への応募：エージェントが応募手続きを代行します。
選考状況の確認：エージェントが企業側と連絡を取り、選考状況を随時報告してくれます。

求人紹介の頻度や数は、市場価値や希望条件によって異なります。
一人あたりの平均紹介求人数は約月間5件ですが、IT業界など人材ニーズの高い分野では10件以上紹介されるケースも珍しくありません。
エージェントによるサポートを最大限活用するためには、紹介された求人への迅速なフィードバックが重要です。
紹介された求人に興味がない場合は、遠慮なくその理由をエージェントに伝えましょう。フィードバックを基に、より適した求人を紹介してもらえます。