既卒になった理由の伝え方は?面接で失敗しないコツを解説

既卒になった理由の伝え方は?面接で失敗しないコツを解説

既卒として就職活動を行う際、「なぜ既卒になったのか」という質問は避けて通れません。
しかし、この質問は単なる経歴確認ではなく、あなたの思考プロセスや困難への対処能力を見る重要な機会でもあります。
また現在の就職市場では、既卒者への理解も以前より広がっています。

既卒理由の伝え方一つで、面接の流れが大きく変わることも珍しくありません。
ネガティブな印象を与えず、むしろ自分の強みとして伝えるコツを知ることが、内定獲得への近道となります。
この記事では、既卒理由の効果的な伝え方と面接で成功するためのポイントを解説します。

目次

既卒になった理由を面接でどう伝えるべきか

既卒者として就職活動をするうえで、避けて通れないのが「なぜ既卒になったのか」という質問です。
この質問に対する答え方によって、あなたの印象が大きく変わります。
まずは現在の就活市場を理解した上で、効果的な伝え方を身につけましょう。

既卒者の就活市場の現状(2023年-2024年)

近年、既卒者に対する企業の採用姿勢は大きく変化しています。
卒業生の就職率は9割以上であり、ほとんどの卒業生は就職しています。
一方で、少数ですが卒業時に就職先が決まっていない「既卒者」もおり、決して無視できる存在ではありません。

既卒者も含めた多様な人材の採用に積極的な企業は増加しており、既卒者への門戸が広がっていることがわかります。
既卒のキャリアに対する理解が深まり、既卒であることが必ずしもネガティブな評価につながらなくなっています。
既卒者の約65%が卒業後1年以内に就職しており、適切な準備と戦略があれば十分チャンスがあります。

企業が既卒者に求めるポイント

採用者が既卒者を評価する際に重視するポイントとはどこなのでしょうか。
企業が既卒者に最も求めるのは「既卒期間の過ごし方とその説明の一貫性」です。
単に「就職活動がうまくいかなかった」という消極的な理由ではなく、その期間をどう過ごし、何を学んだかを明確に説明できるかが重要視されています。

また、「既卒理由の素直な説明」「自己分析の深さ」「入社後のビジョンの明確さ」も重視されています。
既卒期間があったことをネガティブに捉えるのではなく、その期間に得た気づきや成長をポジティブに伝えられる候補者は高評価を得る傾向にあります。
採用担当者は、既卒理由よりも、その期間の過ごし方と学びを重視し評価するのです。

既卒理由の効果的な伝え方の基本

既卒理由を効果的に伝えるためには、基本的なフレームワークを押さえておくことが重要です。
そのためには、「STAR法」を活用した説明を身に付けると良いでしょう。
これは「Situation(状況)」「Task(課題)」「Action(行動)」「Result(結果)」の頭文字をとったもので、既卒理由を論理的に説明する際に役立ちます。

例えば、「資格取得に時間を使っていた」という理由であれば、どのような状況で資格取得を決意したのか、どんな課題を設定したのか、どう行動して、どんな結果を得たのかを具体的に説明します。
この方法を使うことで、ただの言い訳ではなく、目的を持った選択だったことを伝えられます。
既卒理由の説明は90秒程度で完結させ、その後は入社後のビジョンなど前向きな話題に展開させるのが効果的です。

以下に、STAR法の各要素が既卒理由の説明にどう応用できるかを示します。

STAR法の要素既卒理由への応用
Situation(状況)当時の具体的な状況や背景「就活時期にコロナ禍があり…」
Task(課題)直面した課題や目標「ITスキルの不足を感じ…」
Action(行動)取った具体的な行動「プログラミングスクールに通い…」
Result(結果)得られた結果や学び「Java認定資格を取得し、実務レベルの…」

既卒になった理由別の伝え方とNG例

既卒になった理由はさまざまです。
就職活動がうまくいかなかったケース、資格取得や学業継続を選んだケース、健康上の理由があったケースなど、状況によって最適な伝え方が異なります。
ここでは理由別のベストな伝え方と、避けるべきNG例を紹介します。

就職活動の遅れ・失敗による既卒の場合

就職活動の遅れや失敗が原因で既卒になったケースは最も多いパターンです。
既卒者の約40%がこのパターンに該当します。
この理由の場合、単に「就活がうまくいかなかった」というネガティブな表現ではなく、その過程で何を学び、どう成長したかをアピールすることが重要です。

具体的には、「当初は自分の適性や強みを十分に理解していなかったため、企業研究や自己分析を深め直しました」というように、失敗から学んだプロセスを強調します。
また、既卒期間に何をしていたか(アルバイト、勉強、ボランティアなど)を具体的に伝え、その経験から得た学びを今後どう活かせるかを説明しましょう。
既卒期間中のスキル向上や視野の拡大など、ポジティブな成長要素を必ず盛り込むことが大切です。

このような理由を伝える際の良い例と避けるべきNG表現は、以下の通りです。

  • 【良い例】「新卒時は業界理解が不十分でしたが、その後のアルバイト経験を通じて接客スキルを磨き、貴社の事業に活かせると確信しました」
  • 【NG例】「内定がもらえなくて…」「就活がうまくいかなかったので…」(原因の説明だけで終わっている)
  • 【NG例】「どの企業も採用してくれなかった」(他責的で印象が悪い)

資格取得や学業継続による既卒の場合

資格取得や学業継続のために就職を遅らせたケースは、目的意識が明確で比較的説明しやすい理由です。
特に公務員試験や難関資格の勉強など明確な目標がある場合は好印象を与えやすいとされています。
この場合、なぜその資格や学びが必要だと考えたのか、キャリアプランとどう結びついているのかを説明することが重要です。

ただし、資格を取得したものの活かせていない、あるいは中途で断念したケースでは、その経験から何を学んだかを正直に伝えましょう。
例えば、「公務員試験に挑戦したが不合格となり、その過程で民間企業での貢献に自分の適性があると気づいた」という形で、挑戦から得た気づきを伝えることができます。
目標に向かって努力した姿勢や、その過程で培った知識・スキルを具体的に説明することが効果的です。

面接での印象を左右する伝え方の例として、良い例とNG例は以下の通りです。

  • 【良い例】「ITエンジニアを目指し、既卒期間にプログラミングを集中的に学習。Java認定資格も取得でき、実務レベルの技術が身につきました」
  • 【NG例】「資格を取ろうとしていましたが、難しくてあきらめました」(挫折の理由と学びが示されていない)
  • 【NG例】「何か資格があった方がいいと思って…」(目的意識の欠如を示している)

健康上の理由による既卒の場合

健康上の理由は繊細なテーマですが、適切に説明すれば採用担当者の理解を得られます。
大切なのは、現在は回復していること、そして健康管理について学んだことを伝えることです。

説明の際は、具体的な病名や症状に深入りするよりも、「体調を崩していた時期がありましたが、現在は完全に回復し、健康管理にも気をつけています」といった簡潔な表現が適切です。

また、療養期間中に取り組んだ自己啓発や、健康を通して学んだ生活管理の大切さなどをポジティブに伝えましょう。
健康上の理由を正直に、ただし簡潔に説明することで、採用担当者に好ましい印象を与えられます

  • 【良い例】「一時期体調を崩していましたが、適切な治療で完全に回復。その経験から時間管理と健康の大切さを学び、今では効率的に働く習慣が身についています」
  • 【NG例】「うつ病で何もできませんでした…」(回復状況や前向きな側面に触れていない)
  • 【NG例】「病気の詳細な症状や治療について長々と説明する」(必要以上の情報共有は避ける)

面接官を納得させる既卒理由の伝え方テクニック

既卒理由を効果的に伝えるためには、単に理由を説明するだけでなく、その経験をポジティブな文脈で再構成することが重要です。
面接官を納得させるための具体的なテクニックを見ていきましょう。
これらのテクニックを使いこなせれば、既卒という経歴をむしろ強みに変えることも可能です。

ネガティブをポジティブに変換する方法

既卒理由はどうしてもネガティブな印象を与えがちですが、これを効果的にポジティブに変換することが可能です。
一見ネガティブに見える経験から得た学びや成長を強調する「ネガポジ変換法」が効果的だとされています。

例えば、「就活に失敗した」というネガティブな事実を「自己理解を深める貴重な機会となった」というポジティブな側面に変換します。
重要なのは、単に言葉遊びをするのではなく、本当にその経験から何を学び、どう成長したかを具体的に説明することです。
採用担当者は、困難をポジティブに捉え直せる候補者に好印象を持つ可能性が高いです。

代表的なネガティブな表現と、それをどうポジティブに変換できるかの例を以下にまとめました。

ネガティブな表現ポジティブな変換例
就活の失敗「内定がもらえませんでした」「自己分析を深め直す機会となり、より明確なキャリア観が持てました」
資格取得の失敗「試験に落ちてしまいました」「試験対策を通じて専門知識を習得し、粘り強く取り組む力が身につきました」
健康上の問題「病気で活動できませんでした」「健康管理の重要性を学び、効率的な生活習慣を確立できました」

成長ストーリーの作り方

既卒理由を単独のエピソードとして伝えるのではなく、一連の成長ストーリーとして構成することで説得力が増します。
一貫したストーリーで自分の経験を語れる候補者は高く評価される傾向にあります。
成長ストーリーは、「気づき→行動→成果→未来への展望」という流れで構成するのが効果的です。

例えば、「新卒活動時に自分の強みを明確に伝えられないことに気づき(気づき)、既卒期間に自己分析とアルバイト経験を通じて強みを磨き(行動)、営業職の適性を発見しました(成果)。この強みを貴社のBtoB営業で活かしたいと考えています(未来への展望)」というように構成します。

重要なのは、各要素が論理的につながっていることと、企業が求める人材像と結びつけることです。
成長ストーリーは2〜3分程度で簡潔に伝え、具体的なエピソードを1つは盛り込むことが望ましいです。

成長ストーリーを組み立てる際は、以下の4つのステップを意識するとよいでしょう。

  1. 気づき:既卒になった理由や直面した課題
  2. 行動:それを克服するために取った具体的な行動
  3. 成果:行動の結果として得られた学びや成長
  4. 未来への展望:その経験をどう活かして企業に貢献できるか

自己分析から導く説得力ある理由付け

既卒理由を説得力あるものにするためには、徹底的な自己分析が欠かせません。
内定獲得者の多くが「既卒期間の経験と自己分析に基づいた志望動機」を伝えていることがわかっています。
効果的な自己分析には、「強み・弱み」「価値観」「行動特性」「過去の成功体験」などの要素を掘り下げることが重要です。

例えば、「私は緻密さよりも新しいことへのチャレンジ精神が強みですが、新卒時はそれを活かせる仕事を見つけられませんでした。既卒期間中のベンチャー企業でのアルバイトでこの強みを再確認し、御社のような成長市場に挑戦する企業こそ自分の適性を活かせると確信しました」といった形で、自己分析に基づく理由付けができます。

自己分析シートの作成や職務適性テストの活用も有効です。
自己分析が不十分だと、説明に一貫性がなくなり、面接官に「準備不足」という印象を与えてしまいます。

自己分析を深めるための主な視点は、以下の4つが挙げられます。

  • 自己分析ポイント1:既卒期間に取り組んだこと(アルバイト、学習、資格など)から得た気づき
  • 自己分析ポイント2:過去の経験(学生時代の活動など)から見える自分の強み・弱み
  • 自己分析ポイント3:仕事選びで重視する価値観と、それが形成された背景
  • 自己分析ポイント4:志望企業・業界と自分の適性がマッチする理由

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まとめ

既卒になった理由を面接で伝えることは、決してマイナスポイントになるとは限りません。
むしろ、その経験をどう捉え、何を学び、どう成長したかを適切に伝えることで、あなたの人間性や思考プロセスをアピールする貴重な機会となります。

本記事でご紹介したポイントをまとめると、まず現在の就活市場では既卒者への理解が広がっており、多くの企業が多様な人材採用に積極的です。
既卒理由を伝える際は、STAR法を用いて論理的に説明し、ネガティブな経験をポジティブな学びに変換することが重要です。

また、既卒理由別に最適な伝え方があり、就活の遅れや失敗の場合は学びと成長を、資格取得の場合は目的意識と習得したスキルを、健康上の理由の場合は回復状況と得た気づきを簡潔に伝えましょう。
成長ストーリーを構築し、徹底的な自己分析に基づいた説得力ある理由付けをすることで、面接官の納得を得られます。

既卒という経験は、あなたのキャリアにおける一つの過程に過ぎません。
その期間にどう向き合い、何を学んだかを自信を持って伝えることで、むしろ他の候補者と差別化できる強みとなります。
この記事を参考に、ぜひあなた自身の言葉で既卒理由を前向きに伝え、納得のいく就職活動を実現してください。

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この記事を書いた人

アイピアジョブ 編集部

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