建築関連の仕事に就きたい、キャリアアップを目指したいと考えている方にとって、2級建築士の資格取得は大きな目標の一つではないでしょうか。
2級建築士は、国家資格としての信頼性があり、建築物の設計・工事監理を行う上で重要な資格です。
しかし、受験資格や試験の難易度、合格率について詳しく知らないまま挑戦して、思わぬ壁にぶつかることも少なくありません。
本記事では、2級建築士試験の受験資格や合格率、難易度について詳しく解説します。
また、効果的な勉強法や資格取得後のキャリアパスについても紹介します。
これから2級建築士を目指す方はもちろん、すでに勉強を始めている方にとっても、試験への理解を深め、効率的な対策を立てるための参考になれば幸いです。
2級建築士試験の受験資格とは
2級建築士試験を受験するためには、法律で定められた一定の条件を満たす必要があります。
建築士法によって学歴や実務経験などの要件が細かく規定されており、これらの条件を満たさなければ受験することができません。
試験の申込みをする前に、自分が受験資格を持っているかどうかを確認することが重要です。
ここでは、2級建築士試験の受験資格について詳しく解説していきます。
学歴・実務経験による受験資格
2級建築士試験の受験資格は、学歴と実務経験の組み合わせによって決まります。
建築士法第15条に基づいて定められており、学歴が高いほど必要な実務経験が短くなる仕組みになっています。
具体的な受験資格の条件は以下のとおりです。
学歴・資格 | 必要な実務経験年数 |
国土交通大臣が指定する建築に関する科目を修めて卒業した大学 | 0年(実務経験不要) |
国土交通大臣が指定する建築に関する科目を修めて卒業した短期大学・高等専門学校 | 0年(実務経験不要) |
国土交通大臣が指定する建築に関する科目を修めて卒業した高等学校・中等教育学校 | 0年(実務経験不要) |
その他の大学 | 2年以上 |
その他の短期大学・高等専門学校 | 4年以上 |
その他の高等学校・中等教育学校 | 7年以上 |
上記以外(中学校卒業者など) | 11年以上 |
特筆すべきは、国土交通大臣が指定する建築に関する科目を修めて卒業した学校の場合、実務経験がなくても受験資格が得られる点です。
建築学科や建築工学科など、建築関連の学科を卒業した場合は、卒業後すぐに2級建築士試験にチャレンジできます。
一方、建築系以外の学科を卒業した場合は、一定期間の実務経験が必要となります。
実務経験とは、建築士事務所や建設会社、官公庁などでの建築の設計・工事監理・施工管理などの業務経験を指します。
受験資格の確認方法と必要書類
自分が2級建築士試験の受験資格を持っているかどうかを確認するには、各都道府県の建築士審査会または建築士試験を実施する機関に問い合わせるのが確実です。
受験資格を証明するためには、学歴と実務経験を証明する書類を提出する必要があります。
学歴を証明する書類としては、卒業証明書や成績証明書が一般的です。
特に建築関連の学科を卒業した場合は、修得した科目が指定科目に含まれているかどうかを確認するため、成績証明書の提出が求められることが多いでしょう。
実務経験を証明する書類としては、実務経歴書と実務証明書が必要です。
実務経歴書は自分自身が作成する書類で、どのような建築関連業務に従事してきたかを詳細に記載します。
実務証明書は勤務先の企業や機関が発行する書類で、実務経歴書の内容を証明するものです。
2級建築士試験の申込み方法
2級建築士試験の申込み方法は、各都道府県によって若干異なりますが、基本的な流れは共通しています。
試験は毎年1回実施され、例年7月に学科試験、9月に設計製図試験が行われます。
申込み手続きは、例年4月下旬から5月中旬頃に行われることが多いです。
申込み方法は、インターネットによる電子申請と、窓口での書面申請の2種類があります。
近年は電子申請が主流となっており、手続きも比較的簡単に行えるようになっています。
申込みに必要な書類は以下のとおりです。
- 受験申込書(電子申請の場合はオンラインで入力)
- 写真(縦4.5cm×横3.5cm、6ヶ月以内に撮影したもの)
- 学歴証明書類(卒業証明書、成績証明書など)
- 実務経験証明書類(実務経歴書、実務証明書)※該当者のみ
- 受験手数料(令和5年度は学科試験17,900円、設計製図試験19,000円)
申込み期間や提出書類の詳細については、各都道府県の建築士審査会や試験実施機関のウェブサイトで確認するのが確実です。
試験日程や申込み期間は年によって変動することがあるため、最新情報を入手することが重要です。
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2級建築士試験の合格率と難易度
2級建築士試験の合格率や難易度を知ることは、効果的な試験対策を立てる上で非常に重要です。
試験の難しさを理解することで、必要な勉強量や対策方法を見極めることができます。
2級建築士試験は学科試験と設計製図試験の2段階で実施され、それぞれ特性が異なります。
ここでは、2級建築士試験の合格率の推移や、学科試験・設計製図試験それぞれの難易度について詳しく解説します。
近年の合格率の推移
2級建築士試験の合格率は年によって変動しますが、一般的に学科試験よりも設計製図試験の方が合格率は高い傾向にあります。
過去5年間の合格率の推移を見ていきましょう。
以下の表は、最近の2級建築士試験の合格率を示したものです。
年度 | 学科試験合格率 | 設計製図試験合格率 | 最終合格率 |
令和6年度 | 約39.1% | 約47.0% | 約21.8% |
令和5年度 | 約35.0% | 約49.9% | 約22.3% |
令和4年度 | 約42.8% | 約52.5% | 約25.0% |
令和3年度 | 約41.9% | 約48.6% | 約23.6% |
令和2年度 | 約41.4% | 約53.1% | 約26.4% |
この表から、学科試験の合格率は近年40%付近であることがわかります。
一方、設計製図試験の合格率は50%前後と比較的高い水準を維持しています。
最終合格率(学科試験と設計製図試験の両方に合格した割合)は、25%前後で推移しています。
つまり、2級建築士試験を受験する人のうち、約4人に1人が合格する計算になります。
また、特徴的なのは、学科試験に比べて設計製図試験の合格率が高い点です。
これは、学科試験が難関であり、学科試験に合格した人は一定の実力があるため、設計製図試験でも好成績を収める傾向があることを示しています。
つまり、2級建築士試験においては、学科試験が最大の関門と言えるでしょう。
学科試験と設計製図試験の難易度
2級建築士試験は、学科試験と設計製図試験の2段階で構成されています。
それぞれの試験の内容と難易度について詳しく見ていきましょう。
学科試験は、建築計画、建築法規、建築構造、建築施工、建築設備の5分野から出題されます。
試験時間は2時間30分で、四肢択一式の問題が各分野から計125問出題されます。
合格基準は各分野の得点が満点の3割以上、かつ総合点が6割以上とされています。
学科試験の難易度が高い理由としては、次のような点が挙げられます。
- 出題範囲が広く、覚えるべき知識量が多い
- 法規や数値計算など、正確な記憶と理解が必要
- 各分野の最低点基準があるため、苦手分野があると致命的
- 時間内に多くの問題を解く必要があり、時間配分が重要
一方、設計製図試験は、与えられた課題に沿って建築物の設計図面を作成する実技試験です。
試験時間は6時間で、木造または鉄筋コンクリート造の中小規模建築物が課題となることが多いです。
採点は、要求図面の正確さ、計画の妥当性、構造・設備計画の適切さなどの観点から行われます。
設計製図試験の難しさには、以下のような特徴があります。
- 限られた時間内に完成させる必要があり、時間管理が重要
- エスキス(下書き)の段階で基本計画を固める必要がある
- 法規制や条件を守りながら創造的な設計をする必要がある
- 製図技術と美しい図面表現が求められる
多くの受験者が学科試験でつまずく傾向がありますが、設計製図試験も独自の難しさを持っています。
特に、設計製図試験では時間管理の技術や、日頃からの製図練習が重要となるでしょう。
1級建築士との難易度比較
建築士資格には2級建築士の上位資格として1級建築士があります。
両者の難易度を比較することで、2級建築士試験の位置づけをより明確に理解できるでしょう。
1級建築士と2級建築士の試験内容は基本的な構成は似ていますが、出題レベルと守備範囲に大きな違いがあります。
具体的な違いを表にまとめると以下のようになります。
2級建築士 | 1級建築士 | |
受験資格 | 学歴に応じて0~11年の実務経験 | 学歴に応じて2~7年の実務経験 |
学科試験の合格率 | 約35~45% | 約15~25% |
設計製図試験の合格率 | 約45~55% | 約25~35% |
最終合格率 | 約20~25% | 約5~10% |
設計可能な建築物 | 主に木造・鉄骨造で3階建て以下、延べ床面積500㎡以下 | 規模・構造の制限なし |
1級建築士試験は2級建築士試験と比較して、出題範囲が広く、より高度な専門知識が求められます。
特に設計製図試験では、大規模建築物や複雑な構造の建築物が課題となるため、技術的な難易度が格段に上がります。
多くの建築関係者は、まず2級建築士を取得してから1級建築士を目指すステップアップ方式を取ることが一般的です。
2級建築士は比較的取得しやすく、また実務上も十分に活用できる資格であるため、建築界でのキャリアの第一歩として最適と言えるでしょう。
2級建築士試験の効果的な勉強法
2級建築士試験に合格するためには、効率的かつ効果的な勉強法が欠かせません。
試験の特性を理解し、自分に合った学習方法を見つけることが重要です。
試験には学科試験と設計製図試験があり、それぞれ異なるアプローチが必要となります。
ここでは、独学と予備校の選択から、学科試験・設計製図試験それぞれの対策方法まで詳しく解説します。
独学と予備校の選び方
2級建築士試験の勉強方法として、大きく分けて独学と予備校の2つの選択肢があります。
それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分の学習スタイルや状況に合わせて選ぶことが大切です。
独学のメリットは、費用を抑えられることと、自分のペースで学習できる点です。
特に、建築学科出身者や実務経験が豊富な方は、独学でも十分に合格可能性があります。
一方、デメリットとしては、モチベーションの維持が難しく、疑問点を即座に解決しにくい点が挙げられます。
予備校を利用するメリットは、体系的なカリキュラムに沿って学習できること、講師に質問できること、仲間と切磋琢磨できることなどです。
特に、設計製図試験の対策では、添削指導を受けられる点が大きな強みとなります。
デメリットは、費用がかかることと、通学時間や決められたスケジュールに縛られる点です。
予備校を選ぶ際のポイントとしては、以下の点に注目すると良いでしょう。
- 合格実績(合格率や合格者数)
- 講師陣の質と経験
- カリキュラムの充実度
- 教材の質と量
- 通学コースとWeb講座の選択肢
- サポート体制(質問対応、模擬試験、添削など)
- 費用対効果
有名な建築士予備校としては、総合資格学院、日建学院、TAC、建築資料研究社、ユーキャンなどがあります。
各予備校の特徴や費用を比較検討し、自分に合った学習環境を選ぶことが重要です。
学科試験対策のポイント
学科試験は2級建築士試験の最初の関門であり、ここでつまずく受験者も少なくありません。
効果的な学科試験対策のポイントをいくつか紹介します。
まず、学習計画を立てることが重要です。
学科試験は5分野(計画、法規、構造、施工、設備)から出題されるため、まんべんなく学習する必要があります。
各分野の配点と自分の得意・不得意を考慮しながら、バランスの良い学習計画を立てましょう。
次に、効率的な学習方法を取り入れることです。
学科試験対策の効果的な学習方法としては、以下のようなものがあります。
- 過去問を繰り返し解く(最低でも過去3年分)
- 間違えた問題や理解が不十分な問題は印をつけて再度解く
- 暗記が必要な項目は暗記カードやアプリを活用する
- 図や表を使って視覚的に理解する
- 計算問題は基本的な解法をマスターする
- 模擬試験を活用して実戦感覚を養う
特に過去問演習は非常に重要です。過去問を解くことで、出題傾向や問題の形式に慣れるだけでなく、自分の弱点も把握できます。
過去問は単に解くだけでなく、解説をしっかり読んで理解することが大切です。
また、各分野ごとの対策ポイントも押さえておきましょう。
例えば、建築計画は基本的な知識と考え方を理解すること、建築法規は条文を正確に覚えること、構造は計算問題の解法をマスターすること、施工は施工手順や品質管理方法を理解すること、設備は基本的なシステムの仕組みを理解することが重要です。
各分野の特性に合わせた学習方法を取り入れると効率的です。
設計製図試験の攻略法
学科試験に合格した後は、設計製図試験という次の関門が待っています。
設計製図試験は実技試験であり、学科試験とは異なるアプローチでの対策が必要です。
設計製図試験の最大の敵は時間制限です。
6時間という限られた時間内に、エスキス(下書き)から清書まで完成させる必要があります。
そのため、時間配分を意識した練習が重要となります。
一般的な時間配分の目安としては、以下のようになります。
- 課題の理解・要求図面の確認:30分
- エスキス(下書き):1時間30分~2時間
- 清書(本図面の作成):3時間~3時間30分
- 見直し・仕上げ:30分
設計製図試験の対策としては、以下のポイントを押さえることが重要です。
まず、過去の課題を実際に解いてみることです。
過去10年程度の課題に取り組むことで、出題傾向や時間配分の感覚をつかむことができます。
次に、エスキス力を鍛えることです。
限られた時間内で適切な計画案をまとめるためには、日頃からのエスキス練習が欠かせません。
特に、動線計画や各室の配置関係など、基本的な計画手法をマスターしておくことが重要です。
また、製図技術の向上も必要です。
線の引き方、文字の書き方、図面の表現方法など、基本的な製図スキルを身につけることで、清書の時間を短縮できます。
特に、縮尺1/100や1/200の平面図・立面図・断面図の描き方に慣れておくことが大切です。
さらに、法規チェックリストを作成しておくことも効果的です。
設計製図試験では、建築基準法をはじめとする各種法規制を遵守した設計が求められます。
法規のチェックポイントをリスト化しておくことで、エスキス段階での法規違反を防ぐことができます。
設計製図試験の合格のコツは、「標準解答を目指す」ことです。
独創的な設計よりも、課題の条件をしっかり満たし、基本に忠実な計画を立てることが重要です。
過去の合格例を研究し、採点者が求めている要素を理解することも大切でしょう。
2級建築士の受験資格に関するよくある質問
次に、2級建築士の受験資格に関するよくある質問に回答していきます。
- 実務経験はアルバイトやインターンでもカウントされますか?
-
原則として、常勤の職員としての経験が対象ですが、雇用形態にかかわらず、建築士の指導のもとでの実務であれば一部認められる場合があります。ただし、証明書類の提出が必要です。
- 他の建築士試験と共通する受験資格はありますか?
-
一級建築士試験とは異なる基準です。二級建築士は比較的早い段階(短大卒+3年実務など)で受験できるのが特徴です。
- 海外の建築系大学を卒業した場合、受験資格はありますか?
-
文部科学省や国土交通省が定めた同等の資格と認められた場合、または個別認定を受けた場合には可能です。日本の建築教育制度と同等とみなされるかどうかがポイントです。
- 実務経験の証明はどうやって行うのですか?
-
勤務先の建築士などが発行する「実務経験証明書」が必要です。所属企業の建築士または経験証明ができる立場の人が記入・署名します。
- 専門学校に通っている在学生でも受験できますか?
-
原則として卒業後、必要な実務経験年数を満たしてから受験できます。ただし、指定科目を履修し、卒業後の経験期間が短縮される場合もあります。
2級建築士資格取得後のキャリアパス
2級建築士の資格を取得することは、建築業界でのキャリアにおいて大きな転機となります。
この資格があることで、できる仕事の幅が広がり、収入アップや転職にも有利になるでしょう。
また、2級建築士はゴールではなく、さらなる専門性や上位資格へのステップとしても位置づけられます。
ここでは、2級建築士資格取得後のキャリアパスについて詳しく解説します。
活躍できる職種と業界
2級建築士の資格を持つことで、様々な職種や業界で活躍することができます。
建築士法により、一定規模以下の建築物の設計・工事監理を独占的に行える権限が与えられるため、職業選択の幅が大きく広がります。
2級建築士が活躍できる主な職種としては、以下のようなものがあります。
- 設計事務所の設計者
- ハウスメーカーや工務店の設計担当
- 建設会社の設計部門や施工管理部門
- 不動産デベロッパーの建築企画部門
- 官公庁の建築関連部署
- 住宅メーカーの営業技術職
- インテリアデザイナー
- 建築コンサルタント
特に、木造住宅や小規模建築物の設計・施工に関わる業界では、2級建築士の需要が高いです。
日本の建築物の多くは中小規模であり、2級建築士の業務範囲内に収まるものが多いためです。
また、建築士事務所を開設することも可能です。
2級建築士の場合、木造・鉄骨造で3階建て以下、延べ床面積500㎡以下の建築物の設計・工事監理を行う事務所を開設できます。
独立開業の道も選択肢の一つとなるでしょう。
さらに、建築関連の資格を持っていることで、建材メーカーやCADソフト関連企業、住宅設備メーカーなど、建築に関連する様々な業界でも重宝されます。
専門知識を持ったセールスエンジニアやテクニカルサポートとして活躍することも可能です。
収入アップと転職への影響
2級建築士の資格取得は、収入アップや転職市場での評価に大きく影響します。
国家資格であり、建築業界での基本的な能力証明となるため、多くの企業で優遇されます。
収入面では、2級建築士資格取得により、一般的に以下のような変化が期待できます。
- 資格手当の支給(月額5,000円~30,000円程度)
- 昇給や昇格の可能性向上
- 設計料や監理料の増加(独立している場合)
- 業務範囲の拡大による収入増
具体的な金額は企業の規模や業種によって異なりますが、年収ベースで30万円~100万円程度のアップが期待できるケースも少なくありません。
特に、設計事務所やハウスメーカーでは、有資格者の価値が高く評価される傾向にあります。
転職市場においても、2級建築士の資格は大きなアドバンテージとなります。
建築・建設関連の求人では、「2級建築士資格保有者優遇」「2級建築士資格保有者歓迎」といった条件がよく見られます。
資格があることで、書類選考を通過しやすくなり、面接でも有利に進めることができるでしょう。
転職サイトの調査によると、2級建築士の資格を持つ人材は、持たない人と比較して、面接通過率が約1.5倍、内定率が約1.3倍高いというデータもあります。
特に、建築業界未経験からの転職を考えている場合、2級建築士の資格は大きな武器となるでしょう。
ただし、資格があればそれだけで高収入や理想の職場に就けるわけではありません。
実務経験やスキル、ポートフォリオなど、資格以外の要素も重要です。
2級建築士の資格は、キャリアアップの基盤として捉え、その上で専門性や実績を積み上げていくことが大切です。
上位資格へのステップアップ
2級建築士の取得は、建築関連のキャリアパスにおける出発点と言えます。
さらなるキャリアアップを目指すなら、上位資格や専門資格の取得を検討するとよいでしょう。
建築士資格のステップアップとしては、まず1級建築士が挙げられます。
1級建築士になると、建築物の規模や構造に関わらず、すべての建築物の設計・工事監理が可能になります。
大規模プロジェクトや公共建築物の設計に携わりたい場合は、1級建築士の資格取得が不可欠です。
また、分野を特化させた専門資格も多数あります。
例えば、以下のような資格が2級建築士の上に積み上げることができる資格として人気があります。
- 構造設計一級建築士(構造設計の専門家)
- 設備設計一級建築士(設備設計の専門家)
- インテリアプランナー(インテリア設計の専門家)
- 建築積算士(建築コストの専門家)
- 一級施工管理技士(施工管理の専門家)
- 宅地建物取引士(不動産取引の専門家)
- マンション管理士(マンション管理の専門家)
これらの資格は、建築士としての基礎の上に特定分野の専門性を加えることで、キャリアの幅を広げることができます。
自分の興味や適性、将来のキャリアプランに合わせて選択するとよいでしょう。
上位資格へのステップアップを考える際は、現在の実務経験を活かせる資格を選ぶことがポイントです。
例えば、設計事務所で働いているなら構造や設備の専門資格、施工管理の仕事をしているなら施工管理技士、不動産関連の仕事をしているなら宅建士など、現在の業務と関連性の高い資格を選ぶと、学習効率も高く、取得後の活用も容易になります。
上位資格取得のスケジュールとしては、2級建築士取得後、実務経験を2~3年積んでから次の資格にチャレンジするのが一般的です。
特に1級建築士は、2級建築士としての実務経験が重要な基盤となります。
焦らず着実にキャリアと知識を積み上げていくことが、長期的な成功につながるでしょう。
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まとめ
本記事では、2級建築士試験の受験資格や合格率、難易度について詳しく解説してきました。
2級建築士は建築関連のキャリアにおいて重要な基盤となる資格であり、取得するメリットは非常に大きいと言えます。
効果的な勉強方法としては、過去問を繰り返し解くことや、時間配分を意識した製図練習が重要です。
独学と予備校それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分に合った学習スタイルを選ぶことが大切でしょう。
2級建築士の資格を取得すれば、設計事務所やハウスメーカー、建設会社など様々な分野で活躍できます。
収入アップや転職にも有利となり、さらに1級建築士などの上位資格へのステップアップも可能になります。
建築士を目指す方にとって、この記事が資格取得への一歩を踏み出すきっかけとなり、効果的な試験対策に役立てていただければ幸いです。
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