宅建士とは?初心者でもわかる仕事の内容や資格の取り方、合格率を徹底解説

宅建士とは?初心者でもわかる仕事の内容や資格の取り方、合格率を徹底解説

「宅建士(たっけんし)」という言葉を耳にするものの、具体的にどんな資格で、どのような場面で必要とされるのかご存じでしょうか?特に不動産や建設業界への就職・転職を考えている20〜30代の方にとって、宅建士は将来のキャリアに大きな影響を与える資格の一つです。

本記事では、宅建士の概要から取得方法、業界での活かし方までをわかりやすく解説します。建設・不動産業界でキャリアアップを目指す方はぜひご一読ください。

目次

宅建士とは?

宅建士とは、正式名称を「宅地建物取引士」といい、不動産の売買や賃貸に関する重要な説明を行う国家資格保持者です。
宅建業法により、宅建士でなければ行えない「独占業務」が定められており、法律上、一定数の宅建士を事務所に配置する義務があります。

主な独占業務には以下の3つがあります。

  • 重要事項の説明(35条書面)
  • 重要事項説明書の記名
  • 契約書の記名・押印(37条書面)

これらの業務は、不動産取引において買主や借主の権利を保護するために極めて重要です。

宅建士が必要とされる理由

宅建士の配置が義務付けられている背景には、不動産取引が高額かつ複雑であることが挙げられます。
特に契約内容や権利関係など、一般消費者が理解しにくい部分に関して、宅建士が適切な説明を行うことでトラブル防止に寄与しています。

また、宅建業者は従業員5人あたりに1人以上の割合で宅建士を設置しなければならず、業務運営の上で欠かせない人材となっています。

宅建士の仕事内容と活かせる業界

宅建士の概要を説明しました。
では実際の業務ではどのような仕事を行い、どのような業界で活躍できるのでしょうか。
さらに具体的に見ていきましょう。

宅建士の主な業務内容(独占業務の具体例)

宅建士の仕事は、不動産取引の安全性と公平性を保つことにあります。
具体的には以下の業務を担当します。

  • 【重要事項の説明】 物件の構造、法的制限、設備の状況などを契約前に説明する業務。説明には宅建士証を提示する義務があります。
  • 【35条書面への記名・押印】 重要事項説明書に宅建士の署名・捺印が必要。これにより取引の信頼性が確保されます。
  • 【37条書面への記名・押印】 売買契約締結後の契約書にも宅建士の記名・押印が必要。書類の保管義務も宅建士に課されます。

宅建士が活躍できる業界一覧

宅建士は以下のような多様な業界で活躍できます。

業界活用シーン
不動産会社売買・賃貸契約の説明、契約書の作成・対応
建設会社土地取得時の調査や交渉、分譲住宅の販売業務
デベロッパー都市開発や大規模プロジェクトでの用地買収
不動産管理会社入居者契約やオーナーとのやりとり
金融機関(住宅ローン)不動産担保融資に関する評価や説明業務

建設業界では、営業や企画職においても宅建士資格があることで説得力が増し、顧客からの信頼を得やすくなります。

宅建士を取得するメリットとは?

上述の通り、宅建士は独占業務があり、かつ活躍できる業界も様々である為、転職活動が優位になり年収アップしたり、将来独立・開業できる可能性があるといったメリットがあります。

この章では、宅建士を取得するメリットを具体的に見ていきましょう。

就職・転職活動での優位性

宅建士は国家資格であり、多くの企業が「資格手当」や「資格保有者優遇」の制度を設けています。
特に不動産・建設業界では応募条件に「宅建必須」と明記されている求人も多く、転職時の大きなアドバンテージとなります。

20代で資格を取得すれば、未経験でも不動産業界へのキャリアチェンジがしやすくなります。

年収アップ・昇進への影響

宅建士資格を取得すると、毎月1~3万円程度の資格手当が支給されるケースが一般的です。
また、営業職や管理職への昇進要件として宅建士の保有が条件となることもあります。

実際に宅建士を保有することで、年収が50万〜100万円アップするケースも見受けられます。

将来の独立・開業にもつながる

将来的に不動産業で独立開業を目指す方にとって、宅建士は必須資格です。
不動産会社を設立する際には「専任の宅建士」の設置が義務付けられているため、自らが資格を持っていれば迅速に開業できます。

宅建士の資格取得方法

宅建士は、一般財団法人 不動産適正取引推進機構が運営・管理する国家資格です。
この章では、宅建士の資格取得方法について具体的に見ていきましょう。

試験概要と受験スケジュール

宅建試験は年に1回(毎年10月)実施され、試験時間は2時間程度です。
申し込みは例年7月頃から始まり、10月中旬に本試験、11月末~12月に合格発表があります。
受験料は8,200円です(令和7年度時点)。

2025年(令和7年)試験日程

申し込み期間インターネット:令和7年7月1日(火)9時30分~7月31日(木)23時59分
郵送:令和7年7月1日(火)~7月15日(火)
受験票発送日令和7年10月1日(水)
試験日時令和7年10月19日(日)13時~15時(2時間)
合格発表令和7年11月26日(水)
引用:一般財団法人 不動産適正取引推進機構 | 宅建試験 | 宅建試験のスケジュール

試験科目と出題内容

出題科目は以下の4分野から構成され、計50問のマークシート形式です。

  • 宅建業法(20問)
  • 民法等(14問)
  • 法令上の制限(8問)
  • 税・その他の関連知識(8問)

宅建業法が最も得点源となるため、重点的な学習が求められます。

合格率や難易度の目安

宅建士 合格率推移
データ引用:一般財団法人 不動産適正取引推進機構
実施年度合格率受験者数合格者数
令和5年度17.20%233,27640,025
令和4年度17.00%226,04838,525
令和3年度12月15.60%24,9653,892
令和3年度10月17.90%209,74937,579
令和2年度12月13.10%35,2614,610
令和2年度10月17.60%168,98929,728
令和元年度17.00%220,79737,481
平成30年度15.60%213,99333,360
平成29年度15.60%209,35432,644
平成28年度15.40%198,46330,589
平成27年度15.40%194,92630,028
平成26年度17.50%192,02933,670
引用:一般財団法人 不動産適正取引推進機構

宅建試験の合格率は例年15〜17%程度です。決して簡単ではありませんが、独学でも十分に合格可能です。
勉強時間は200~400時間が目安とされ、多くの受験者が働きながら学習しています。

宅建士の取得に向けた学習方法

宅建士の試験概要を紹介しました。
では実際に資格を取得する為にどのような学習を行うべきでしょうか。
この章では、宅建士取得に向けた学習方法をご紹介します。

独学と通信講座と通学講座の違いは?

学習方法特徴向いている人
独学費用を抑えられる/自分のペース自主的に計画的に学べる人
通信講座添削指導や質問対応が充実働きながら学びたい社会人
通学講座直接講師の指導を受けられるモチベーション維持が苦手な人

独学の場合は、市販のテキストと過去問題集を中心に学習を進めることが一般的です。

仕事をしながら学ぶためのコツ

働きながら宅建士を目指す場合は、以下の工夫が効果的です。

  • 通勤時間や昼休みを使って学習する
  • 学習スケジュールを週単位で管理
  • スマホアプリやYouTubeでスキマ時間に復習

特に建設・不動産業で実務に携わっている場合は、業務とリンクさせることで理解が深まりやすくなります。

宅建士が活かせる建設業界でのキャリアとは

宅建士が生かせる具体的なキャリアについてみていきましょう。

建設会社での宅建士の活用事例

宅建士資格を持っていると、建設業界でも次のような場面で活用できます。

  • 用地仕入れに関する交渉や調査
  • 建売住宅の販売活動
  • 顧客への法的説明や信頼構築

特に不動産部門を持つゼネコンやハウスメーカーでは、宅建士を有する社員が重宝される傾向にあります。

建設業界でのキャリアアップの選択肢

宅建士を入口にして、以下のようなキャリアを築くことも可能です。

  • 営業 → 課長 → 所長(マネジメント職)
  • 宅建士+施工管理技士などのダブルライセンスで希少価値を高める

建設業界は資格によるキャリアの可視化が進んでおり、宅建士を皮切りにキャリアを段階的に形成することが可能です。

まとめ

宅建士は不動産・建設業界で高い需要を持つ国家資格です。契約における独占業務を担い、社会的信用や年収面でもプラスに働きます。

就職・転職を検討している20〜30代にとっては、早期に取得しておくことで将来のキャリアの選択肢が大きく広がります。

資格取得を考えている方は、まず一歩を踏み出し、宅建士としての未来を描いてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

アイピアジョブ 編集部

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